昨日4/7ホテルニュータガワで『北九州糖尿病フォーラム』が開催されました。
会は前市医師会長の合馬内科クリニック院長である合馬紘先生座長で行われ、症例提示には実地医家では糖尿病専門医の「いのくち内科クリニック」院長井口信夫先生が、自験例通じてのSGLT-2阻害剤の使用経験をいくつかの症例パターンでご紹介していただき、また先生の使用感などお話ししていただき、我々糖尿病非専門医での実地医家の先生方にわかりやすいご講演を承りました。
特別講演では新小倉病院糖尿病センター長である藤本良士先生から「糖尿病診療における新たな取り組み〜インスリン中心主義からの脱却を考える〜」という、多少個人的には視点を変えた演題だと思い興味を持って聞かせていただきました。
確かにDPP-4阻害薬が2009年12月発売されて以来、さらに2014年4月にSGLT-2阻害薬が発売されてと、近年糖尿病の治療が一新され、最新のデータでも糖尿病のコントロールの指標であるHb-A1cが6.8%と、あくまで糖尿病患者さんの平均値ではありますが非常に良好なコントロールの方向性となってるのも事実です。
そういった中でインスリン治療の位置付けも最近では変わってきてると思われますが、決してインスリン治療が悪いというわけではないのですが、糖尿病早期からの治療であればインスリン治療行わずとも良好なコントロールが得られるということだと思います。
その中で今回の講演で藤本先生はインスリンとともに血糖値を一定に保つホルモンであるグルカゴン分泌に目を向けたご講演でした。
グルカゴン分泌はインスリンとは反対に血糖値が下がって糖を必要とするようになったときに肝細胞に作用してグリコーゲンの分解を促進する働きがあるものです。
こういった働きを利用して今後現存多々ある経口血糖降下薬を使い、良好な血糖コントロールを得ることも可能ではというものでした。
近年新たに注目されている糖尿病治療の考え方ではありますが、もちろん“グルカゴン分泌試験”など以前からあり、この古くて新しい考え方を今回ご教授いただいたと思います。
非常に参考になりありがとうございました。
参加された先生方、お疲れ様でした。