昨日(6/16)は『第11回北九州消化管研究会』がリーガロイヤルホテル小倉で開催されました。
今回は胃内視鏡が胃がん検診の適応となってきたのを受けて、“ABC健診”を推し進めている淳風会健康管理センター副センター長で旭ヶ丘病院院長代理の井上和彦先生から「胃がん撲滅をめざしてーABC分類に基づく胃がん検診、H.pylori除菌治療、除菌後サーベイランスのcordination—」というご講演をいただきました。
まずその前段として九州労災病院消化器内科の田中俊行先生から「最近当院で経験した稀な上部消化管異物症例」ということで、魚骨や縫い針、丸(生)餅、歯ブラシ、牛骨(テール)等々の異物誤飲症例の提示があり、スネアや鉗子器材のみならず胆石破砕用のバスケット鉗子やネット鉗子、腹腔鏡、更には耳鼻咽喉科との共同治療に、用手的除去など様々な手法での提示で、以前の勤務医時代を思い出した次第です。
本題の特別講演では、まずABC(エービーシー)健診、ABC健診とは胃カメラなど使わず、血液検査で“ピロリ菌抗体”と“ペプシノゲン”の2項目を検査し、胃がんの発生しやすさを分類するもので、非常にコストベネフィットの良い健診です。
この度胃内視鏡でのがん検診容認も、実際は内視鏡施行医により多少様々な面もあり、これをまた医師会等でのWチェック体制に、読影委員会や偶発症に対する委員会等の設置と、なかなか内視鏡でのがん検診は出来るようになったものの、体制づくりが大変な面もあります。
今回(といより以前からありましたが)提唱の“ABC健診”は、安価で客観性もあり、結果でA群でピロリ菌感染がなければ5年に1回の検査、B群であれば精密検査にて問題なければ2~3年に1回の検査、C-D群であれば精密検査受診で問題なければ1年に1回の検査と方向付けやすくなってます。
こういった、何処でも誰でも、そして安価で受けられるといった検査が非常に有用であると思いますし、ましてや健診です、健診これは基本健常人に対しての検査であるので尚の事こういった検査で示指していくことが重要と、改めて今回の講演会で思った次第です。
ご講演ありがとうございました。