昨日(10/19)は糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬『トルリシティ皮下注アテオス発売記念講演』がステーションホテル小倉で開催されました。
『アテオス』は週1回の皮下注製剤で、この製剤も2009年から国内で発売されてるインクレチン関連製剤の一つです。
経口血糖降下薬としてこのようなインクレチン関連製剤が世に出て糖尿病患者さんの治療セオリーが激変となりました。
何故か、インクレチンとは血糖上昇に伴って、主として小腸から分泌されるホルモンであり、血糖値が高いときにだけインスリンが分泌促進されるという最大の働きがあります。
したがって低血糖になりにくいという特徴があり、現在国内ではインクレチン関連製剤、特にDPP-4阻害薬が糖尿病患者さんの主たる治療の中心となってきてます。
このDPP-4阻害薬に加え、2010年にはGLP-1受容体作動薬皮下注としてリラグルチド(ビクトーザ皮下注)が出て、薬物療法で効果不十分の患者さんに低血糖リスクの少ない、更に通常のインスリン製剤とは違い体重減少も期待できる、患者さんにとって有用性の高い治療薬となってます。
これが今回、ビクトーザは1日1回のDAYLY製剤の皮下注製剤ですが、このトルリシティは週1回のWEEKLY製剤として昨年発売となりました。
このインクレチン関連製剤に加え、2014年に発売されたSGLT2阻害薬や、従来の経口血糖降下薬の様々な組み合わせで、現在では糖尿病患者さんの多くが比較的良好な血糖コントロール可能なまでになってきてます。
先日(10/16)の東京での学術講演会『糖尿病治療のゴールに向けて〜合併症予防のための糖尿病治療戦略〜』ではDPP-4阻害薬にどのような経口血糖降下薬との併用がいいかといった内容で、今後糖尿病患者さんの治療目標も、心血管イベントなど合併症など問題もありますが、こと糖尿病治療コントロールに関しては、タイトルの如く糖尿病患者さんの治療のゴールを見据えた治療となっていくのではと感じた次第です。