昨日の2/2はホテルクラウンパレス小倉で、小倉記念病院と小倉医師会の病診連携の一環での『小倉アブレーション連携講演会』が開催されました。
演者は小倉記念病院循環器内科副部長の廣島謙一先生で、小倉医師会副会長の今渡龍一郎先生座長で進行されました。
まずは今渡先生から今の北九州における高齢化率が示され、高齢化が進むに連れ“心房細動”の患者さんの増加傾向があることが示されました。
続いて、廣島先生より心房細動全般のご講演から、抗凝固剤の必要性や、現在心房細動治療に用いられる“アブレーション治療”の現状等のお話がありました。
まず、“心房細動とは”ですが、心房細動は絶対性不整脈といわれており、要は心房が1分間に450~600回の頻度で不規則に興奮し、その興奮波が房室結節へ無秩序に伝わるために、心室興奮は確実に不規則になる不整脈です。
そのため心房細動がはじまると患者さんは動機や胸部違和感等々の自覚があります。(ときに、症状のない無症候性の患者さんもおられますが)
この心房細動は高齢になるほど頻度が増すことがわかっており、この心房細動により心臓の血液の流れの乱れから血液の塊“血栓”というのが出来るのですが、こと心臓にでは血栓が大きく“塞栓”といわれ、この塞栓が脳への血管に流れ、塞栓は大きいものですので脳血管の太い血管に詰まり脳梗塞を起こすのですがこの脳梗塞を脳塞栓といい、急な意識障害や呼吸停止など重篤な症状となり非常に危険な生命を脅かす病態となります。
代表的な著名人では元巨人軍監督の長嶋茂雄さんや、サッカーの元日本代表監督イビチャ・オシムさん、また小渕元総理に至っては不幸な結果となってしまいましたが、これらが脳塞栓という重篤な結果の特徴です。
結果、この心房細動を如何に予防するか、早期発見をするか、それに加え如何に早期に治療を施すか、で如何に脳塞栓を予防するかといったことが我々実地医家でも問われることだと思います。
今回の講演者である廣島先生とは、以前私が所属していた病院に循環器の専修医として研修に来られていた頃からのお付き合いで、その先生が現在小倉記念病院でアブレーションの第一人者として活躍してることは非常に心強く感じますし、紹介したクリニックの患者さんも喜ばれてます。
廣島先生の更なるご活躍を期待したいと思います。
此の度のご講演、ありがとうございました。
※アブレーション治療⇒医学的にはカテーテルの先端から高周波を流して、生体組織を焼き切ることで、今回の心房細動に対して、多くは左心房—肺静脈接合部の異常部を焼き切る治療法。