今日も暑いですね💦
HPの診療案内にも掲載し、以前にもブログアップしたこともあるのですが、私見ながらいよいよ本格時期となり、全国でも多数の患者さんが発生しているニュース散見し、再度再掲させていただきます。
まずは、熱中症(heat illness)とは、ですが 熱に“あたる”という意味で、暑熱環境によって体温の調節機能が破綻するなどして、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れて生じる障害の総称です。時として、早期対処しないと死に至る可能性のある病態です。
熱中症の病型として ① 熱失神:暑熱環境下では体温調節のために皮膚血管が拡張する。それによって血圧が低下し、脳血流が減少して起こるもので、めまい、失神などがみられる。脈 は速く、弱くなり、顔面蒼白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどが みられる。長時間立っていたり、立ち上がった時、運動後に起こりやすい。 ②熱疲労:大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水が起こり、熱疲労の原因となる。症状は、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられ、汗から塩分も失われるため、水を飲んでも塩分が補給されないと脱水 を回復することができない。 ③熱けいれん:大量に汗をかくと水と塩分が失われ、汗の塩分濃度は血液の塩分濃度より低いため、血液の塩分濃度が高くなる。その状態に水だけしか補給しなかった場合、反対に血液の塩分濃度が低下して、足、腕、腹部の筋肉 に痛みを伴ったけいれんが起こる。 ④ 熱射病:高温環境下で激しい運動を行うと、運動により発生した熱が体表面から発散できず、体温が上昇し体温調節中枢神経に障害が起きる状態。熱射病は異常 な体温の上昇(40℃以上)と意識障害(反応が鈍い、言動がおかし い、意識がない)、足がもつれる、ふらつく、転倒するなどを特徴とし、頭痛、吐き気、め まいなどの前駆症状やショック症状などがみられる。脳、心臓、肺、肝臓、腎臓などの臓器障害を合併することが多く、死亡 率が高い。
日常生活の予防・注意点としては 1.暑さを避ける(まず、これが最も重要ですが) 2.服装にも工夫。 3.こまめに水分を補給 4.急に暑くなる日に注意 5.個人の条件を考慮 EX1)高齢者:特にこまめに水分をとるように努め、睡眠中の熱中症を避けるために寝る前にも水分をとりましょう。入浴はぬるめの湯で短時間、また暑さを感じにくくなるため部屋に温度計などを置き、窓を開けて風通しをよくして、高温環境下を避けましょう。 EX2)小児:成人に比べ体表面積が大きいことから周囲の熱を取り入れやすく、未発達な発汗機能によりわずかな時間でも熱失神が起こりやすくなります。 要は、こまめに水分をとるように努め、涼しい環境下で十分な休息を与え、発熱を促進する服装や上着の着脱に気をつけましょう。 “熱中症”は時として生命をも脅かす病態です。 油断せず、自分の体の過信せず、気をつけましょう。
ちなみに余談ですが、大塚から出ている、 OS- 1(オーエスワン・大塚製薬工業)というのがあります。これは厚生労働省許可・特別用途食品 個別評価型・病者用食品で、「オーエスワン」は、WHO(世 界保健機関)の提唱する経口補水療法(Oral Rehydration Therapy;ORT)の考えに基づいた飲料(経口補水液)で、その電解質の組成はORTを発展させた米国小児科学会の指針に基づいています。 経 口補水液(Oral Rehydration Solution;ORS)は、水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムとブドウ糖の濃度が調製されており、ナトリウムとブドウ糖を一緒に摂取 すると小腸粘膜に存在する共輸送体により同時に吸収され、水分の吸収が促進されます。WHOはじめ欧米でORTに関するガイドラインが策定され、軽度から 中等度の脱水状態の水分・電解質補給に使用されています。 乳幼児から高齢者の軽度から中等度の脱水状態時の経口補水液として、そしゃく・えん下困難な場合(オーエスワンゼリー)にも適しています。
以上、専門の先生からは大雑把な内容かもしれませんが、このブログで少しでも“熱中症”に対しての啓蒙になればと思います。
|