昨日(11/5)ステーションホテル小倉で『北九州認知症エリアサミット』が開催されました。 この会は地域の認知症診られてる医療機関の現状報告や、特別講演では認知症牽引されてる先生のご講演を、地域の認知症診療に携わる医師を中心に討議する会で、今回は小倉蒲生病院の精神科診療部長の後藤直樹先生から蒲生病院での認知症治療の現状のお話がありました。 小倉蒲生病院は、都道府県及び指定都市により認知症専門医療の提供と介護サービス事業者との連携を担う中核機関として指定を受けた医療機関である「認知症疾患医療センター」を持ち、地域の認知症基幹病院となってます。 特別講演では、順天堂大学で長年認知症ご専門にご活躍されてる田平武先生から、「アルツハイマー病治療薬の使いこなし」という演題でお話をいただきました。 現在認知症治療薬には、コリンエステラーゼ阻害剤であるアリセプト(ドネペジル)、レミニール(ガランタミン)、イクセロン・リバスタッチパッチ(リバスチグミン)に加え、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体拮抗薬であるメマリー(メマンチン)とあります。 また、認知症も主だったものでも、アルツハイマー型認知症始め、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症、若年性認知症、アルコール性認知症とあり、さらに正常圧水頭症や、まだら認知症などもあり、実際実地診療でも、どういったタイプの認知症なのか、この認知症にはどの薬剤で治療したらいいのか、またそれぞれの認知症薬でどういったときにどう用いるのか、認知症薬以外の薬剤とどう使い分けや併用等々するのか、という悩みがあります。 特に認知症には、認知症の中核症状と、周辺症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)等があります。 中核症状は基本認知症の直接の原因である「脳の細胞が壊れる」ことで起こる症状のことで、一方、周辺症状とは「行動・心理症状」とも言われ、認知症は本人が元々持ち合わせている性格や置かれている環境が大きく作用し、症状も多様化することで出る症状です。 今回のご講演で、この認知症薬使用において、実際診断治療には症状経過だけでなく、画像等も必要ではありますが、多少なりとも自分なりの患者さんに応じた治療提供ができるよう、今回の小倉蒲生病院や他の認知症専門医療機関と連携取りつつ、実地診療で認知症に積極的に取り組まねばと感じた次第です。