昨日(12/17)は、リーガロイヤルホテル小倉で、『小倉内科医会実地医家学術講演会』が開催されました。
今回の講演は今の時期に適したインフルエンザ関連で、神奈川県川崎市で開業されてるインフルエンザ関連では第一人者で、また臨床内科医会でのインフルエンザ研究班にも属してる廣津伸夫先生から「インフルエンザウイルスの拡散抑制について−増殖の阻害と伝播の阻止—」というテーマでご講演いただきました。
講演は感染様式で「家族内感染」や「学校感染」と分けてのお話で、「家族内感染」はやはり母子間での感染が多いということで、特に乳幼児との感染が多く、学年が上がるに従って感染率は低下傾向にあるということでした。
ただ、父親に関しては、家族内感染は比較的低いということです。
これは父親の行動様式の違いもあるようで、また父親はあまり感染に関して意識も低いというのも関与してるのではということで、父親のインフルエンザ感染に関し、もっと意識付けが必要ということもあるようです。
「学校感染」に関しては、秋口から徐々に多くなり、その特徴としてクラス単位での感染率が多く、したがって集団での感染になりやすいので、結果その地域へのインフルエンザ感染の影響も大きいということです。
また、抗インフルエンザ薬には現在、内服としてのタミフル、吸入でのリレンザに、イナビル吸入粉末剤と、注射剤のラピアクタと大きくは4種あるのですが、効果効能は点滴注射剤のラピアクタが一歩出てるようなお話でした。
(以前、パーキンソン病治療薬であるアマンタジン=シンメトレルも使われており、意外と効能効果あることが証明されてますが、現在では耐性の問題もあり使用できませんが、安価で良い薬だとは思うのですが( ´ ▽ ` )ノ)
しかし、ラピアクタは15分以上かけての点滴静注で、実際通常クリニックでは少しでも早く自宅安静がいいと思うので、個人的にはクリニックでの使用の現実味がないのではと思ってる次第です。
内服、吸入剤でも個人的には十分効果あると思われますので、嘔吐が激しく服薬服用ができないなど特殊状況でなければ内服や吸入で十分だと思われますし、点滴静注様子ような特殊な患者さんでは病院レベルでの加療対象だと思います。
以上、今回の講演で感染様式での特徴もいってみれば至極当然のことではあるし、抗インフルエンザ薬に関しても多少バイアス(共催—塩野義製薬)がかかってる面もあるような感がしました。
今回の講演で、知識を新たにするということでは意義ある講演会でした。
ありがとうございました。