昨日(1/14)ホテルアルモニーサンクで第98回北九州肝腫瘍研究会。
今回は特別講演に久留米大学医学部内科学講座消化器内下部門教授の鳥村拓司先生のご講演。
鳥村教授は私が久留米大学にお世話になった頃、第2内科(旧)の医局長をされており、昨年も教授就任際し小倉でもお祝いをさせて頂きました。
今回特別講演ということで、『肝細胞癌の診断と治療に関する今後の展望』という演題でご講演いただきました。
前段では小倉医療センター外科の空閑啓高先生から『短期間で増大傾向を認めた肝腫瘍の一例』ということで症例発表いただきましたが、結果“肝未分化癌”という非常に珍しい症例のご発表で、通常であれば研究会の主演題にしてもおかしくない内容のものでした。
鳥村教授のご講演は肝細胞癌の疫学的なことから原因種別に、近年非B非Cの肝細胞癌が増加傾向で今まで最多であったHCVが一昨年50%を割ったらしく、現在HCV経口加療薬DAA(Direct Acting Antivirals:直接作用型抗ウイルス薬)製剤の著効率優れているため、今後非B非Cが更に増加する傾向と謂れ、これにより現状の診断治療もただ単に腫瘍径や腫瘍個数などでなく、腫瘍の性質を診る必要性が重要ということをお教えいただきました。
で、今後非B非C原因の肝細胞癌で尚且つリスク増大に関わるのが“肥満”、“糖尿病”、“アルコール”ということです。
特に糖尿病では近年糖尿病患者の死因で悪性腫瘍が多くなってきており、中でも肝細胞癌が膵癌よりも多いという事実も出てきてます。
こういった現状も以前B型肝炎での“肝炎再活性化(de novo B型肝炎)”でリウマチ学会への啓蒙の時と同じように、糖尿病学会などへの呼びかけなど必要ではと感じた次第です。
しかしながらまずは近場でということで所属医師会への啓蒙はすべきと思われますが、北九州市医師会では近年勉強会等で行ってはいます。
が、焦点絞っての啓蒙ではないので、今後更なる勉強会をと感じた次第です。
非常に良い勉強を鳥村教授ありがとうございました。