昨日(5/16)はパークサイドビル小倉で「小倉・門司地区勉強会」が小倉記念病院副院長腎臓内科部長である金井英俊先生から『CKDと脂質異常症』のご講演がありました。
金井先生は5年前より北九州市の特定健診にも関わっておられ、特定健診で腎機能評価であるeGFR(推算糸球体濾過量:腎臓にどれくらい老廃物を排泄する能力の程度の指標)を導入され、早期腎障害での腎臓病の進展抑制にも公的に関わっておられます。
今回のご講演ではCKD(慢性腎臓病)が、高血圧や高脂血症など如何に関わっているか、また現在血液透析(以下、HD)の患者数が32万人以上(2014年時点)で、まだHD導入件数の減少化へは至ってなく、更にこのHD導入の増加傾向のほか、HD患者さんの高齢化、特に75歳以上から女性のHD患者さんが増加傾向にある、このことは以前『女性のミカタ』で女性の健康寿命延伸の時に“過活動膀胱”や“骨粗しょう症”などが健康寿命の延伸に関わるといったお話をしましたが、腎障害でのHD導入も当然女性の健康寿命延伸に関わる問題だと思います。
HDも98年に糖尿病性腎症と慢性腎臓病と逆転して以降、糖尿病性腎症でのHD患者さんの増加の一途。
また慢性腎臓病は全体的にはHD患者数減少傾向ではあるようですが、 “腎硬化症”のみ増加傾向にあるということは、近年肥満や生活習慣病といったものが腎臓病の増悪進行に関わるといった面もあるということです。
こういったなか如何に生活習慣病の是正が、引いては将来的な透析患者さんの減少に繋がるのではと感じます。
間接的には女性の健康寿命延伸も視野に入れつつ、肥満・高血圧や脂質異常症に、糖尿病など、一番患者さんに近い立場にいる我々実地医家が患者さんの将来を見据えた医療提供が重要ではと思った次第です。