先週の6/3リーガロイヤルホテル小倉で『第7回北九州インクレチン研究会』が開催されました。
今回は症例発表をクリニックと病院での自験例を中心に発表がありました。
特別講演では代表世話人である産業医科大学第一内科学講座の講師岡田洋右先生が座長で、青森県立中央病院糖尿病センターセンター長の小川吉司先生から「てこずり症例に対する糖尿病治療の次の一手」という演題でご講演いただきました。
近年糖尿病治療は激変時期を迎えており、この会名の如く“インクレチン”製剤が出てきて更なる糖尿病治療の変化が現れてきてます。
そういった中で、今後の糖尿病患者さんで“てこずり”というか重要な問題となってくるのが糖尿病患者さんの“高齢化”ということです。
これは糖尿病患者さんにだけに限ったことではないのですが、こと糖尿病患者さんは透析や心血管病変などの様々な合併症や、認知症関連問題、また発癌などの問題とあります。
如何に良好な糖尿病コントロールをするかは、3年前の熊本宣言でのHbA1cの血糖正常化目標である6%未満–合併症予防目である7%未満–治療強化が困難な際の目標である8%未満というのでは十分でなく、今回の治療目標には今までの年齢や罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などに加え、高齢者での認知機能や基本的ADL、手段的ADL、併存疾患など考慮し個別に設定治療する、というような変化となってます。
より患者さん各々にカスタマイズされた治療形態となってきたわけで、今回の小川先生もこのガイドラインに沿ってのご講演でした。
非常にわかりやすく解説していただき、では高度肥満患者ではどうするのかや、独居の認知症患者さんではどう対応したら良いか等など、もちろん今回ご講演いただいた対応がすべての患者さんに当てはまるわけではありませんが、今回の改定ガイドラインを読み解く教えを請うた感がいたしました。
ありがとうございました。