10/29土曜日ヒルトン福岡シーホークでアッヴィ社の『ヴィキラックス配合錠1周年・適応拡大記念講演会』に参加です。
“ヴィキラックス配合錠”はC型慢性肝炎治療薬で、C型慢性肝炎Ⅰ型治療薬としては他の経口剤より多少出遅れての発売で、既存のインターフェロン(以下、IFN)フリー経口剤と比し、立ち位置が難しいところがありましたが、今回は同効薬の中ではいち早くC型慢性肝炎Ⅱ型への適応拡大がなされました。
となれば、比較的使用頻度も拡がるのではではと思われるのですが、個人的には今現在Ⅱ型適応の経口剤が12週の3ヶ月に対し、ヴィキラックスは16週の4ヶ月となってるところが、これまたどうなのかな(?)ってところです。
来年秋にはついに8週の2ヶ月の経口薬も出てくるようで、そういった流れの中、期間が長いってのはこれまた難しいところがあるとも思われます。
ご講演も、福岡で行われるということで九州各地はもちろん、中四国や近畿地方など西日本中心に多くの先生方の参加でした。
特別講演では虎の門病院の熊田博光先生で、先生は厚生労働省内の肝炎研究班の班長でもあり、我が国で最も肝炎治療経験が豊富な先生であり、今後の肝炎治療がどういった方向性に進むのか、などのご講演でした。
中でも、現在C型慢性肝炎治療は経口剤が主体となり、ほぼ100%近くの有効性のある治療薬ですが、やはり中には極僅かですが無効症例もあり、そういった患者さんの今後の治療はどうしたら良いのか。
また、先日のギリアド・サイエンシズからの“ハーボニー配合錠”の講演会でもありました、IFNにはある程度発癌抑制効果が認められてましたが、発癌抑制がまだ不明な経口剤での発癌にはどう対応するのか、などまだまだ問題点もあるのも確かです。
今現在C型慢性肝炎治療はIFNではなく、IFNフリーの経口剤が中心となっており、我々実地医家でも非常に使いやすい環境にはなってきたと思いますが、患者さんに対しての治療前から、治療期間中はもちろん永劫的に治療後もしっかりしたモニタリングが必要であり、もし万が一発癌があればどう対応していくのかを、十分踏まえた上での先を見据えたC型慢性肝炎治療が求められると改めて感じた次第です。
この度の諸先生方のご講演、ありがとうございました。
※因みに、ギリアドやアッヴィ社など聞きなれない製薬メーカーだと思いますが、ギリアドは、インフルエンザ治療薬であるタミフルの製造販売会社です、となれば多少馴染みがどうでしょうか?(*´∀`*)