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〜・〜福岡PEG・半固形化栄養療法研究会〜・〜

先週土曜日6月24日にJR博多シティJR九州ホールで『第2回福岡PEG・半固形化栄養療法研究会』が開催されました。

この研究会は、医師はもちろん、看護師・薬剤師、管理栄養士や、歯科医師、歯科衛生士など多くの多職種がいつも参加される会です。
今回は半固形化栄養で第一人者の前香川大学教授で現在は千里リハビリテーション病院副院長である合田文則先生の栄養管理の特別講演に合わせてのように可変型流動食をサブテーマとして開催です。
合田先生も云われておりましたが経腸栄養患者さんでも、普段我々が食す栄養に出来るだけ近いものがベストと思われ、その点では刻み食がベターと思われるのですが、それは現実性がないというところで、今回投与時は液体では、胃内に入ると半固形化される流動食(=可変型流動食)が最近出てきており、一般演題ではそれらの検討がなされました。
特別講演では、「口から食べれなくなった時の栄養管理」という演題で合田先生の講演でした。
今回は初っ端から、PEGの世間的誤解と、液体栄養剤での誤嚥はこれはもう“医原性”であると、かなり挑発的な合田先生らしい講演でした。
PEGの誤解は、PEGに対してまだまだ医療関係者でも否定的な意見も多く、また自民党の石原議員のPEG患者さんを〝エイリアン〟発言は久しいですが、マスコミも正確な情報を流していないという現実もあるという事に加え、前々回の診療報酬改定でPEGに対してシバリもきつくなったりと、PEGにおける環境は厳しくなる一方です。
私もクリニックでPEG交換時で間違ったPEG管理や、施設訪問などでPEG患者さんのご家族の後悔の念などみられることがあり、これらは全て造設する側の問題があると思われます。
そこには医療関係者の間違ったPEGに対する知識があるのだと思います。
ただ単に食べれなくなったからPEGにするというのではなく、食べれなくなった状況がどうなのか。
例えば脳卒中(脳幹除く)患者さんでは発症前まで食べれてた人が多いので、こういった患者さんは急性期よりしっかり栄養管理してあげることで殆どがまた食べれるようになるわけで、そういったことも含めてリハビリをしてあげるなど、まずはどういった患者さんにPEGを選択するかという選択の誤り。
管理としてPEGにすると長期の栄養管理が可能や、誤嚥性肺炎は起こらない、介護負担が軽減出来る等々いわれてますが、PEGで長期に栄養管理するということで、もうそれが最後の栄養法で、再び食べさせようとはしないということであり、これは食べれるチャンスのある患者さんを見逃してる事でもあると思います。
介護負担が軽減出来るという事で、経腸栄養剤投与中にPEG患者さんから容易に目を離すことがおおくなるということでトラブルも増えるという事だと思います。
誤嚥しないということも、健常人でも通常食道胃逆流は1日のうちです頻回に起こってるのにもかかわらず、液体栄養剤であれば約20ccの量でさえ容易に逆流する事実をみれば決してPEGだから誤嚥はしない、肺炎は起こらないという事ではないのです。
まずは、どんな栄養剤をどういった形状で投与するかということが重要で、そういった中で本来であれば我々が普段食す食事の刻み食のようなものがいいと思われます。
ということは、やはり液体栄養剤ではなく、固形は無理でも半固形化であればということです。
消化管の生理的な面を考慮して、液体ではまず胃拡張が起こらず腸管へもダラダラと流れてはいるのですが、これが食道へも容易に逆流してるということです。
半固形でドンと胃内に栄養剤が流れると、胃が拡張し胃体上中部大わん側にある蠕動トリガーにスウィッチが入り蠕動と共に腸管へ移送されるという事。
また半固形で投与するということは、投与中はPEG患者さんから介護者が目を離さないということとなります。
こういったPEG患者=終末期(死が近い)という考えが間違った知識の延長となっているとも思われます。
PEGで再び食べれるようになる、以前の様には食べれないまでも栄養も改善し、表情も増え、コミュニケーションも増したなど、正しいPEG活用でより良い医療に寄与することも可能と思われるので、こういった快活な合田先生の考えがもっと拡がることを止みません。
合田先生今回も革新的なご講演ありがとうございました。

PEG=Percutaneous Endoscopic Gastrostomy : 経皮内視鏡的胃瘻造設術⇒(通称)胃ろうの俗称。

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