昨日(8/27)は「福岡県内科医会北九州ブロック学術講演会」がステーションホテル小倉で開催されました。
今回の講演会は、製鉄記念八幡病院糖尿病内科の野原先生から、現在糖尿病の治療で最も新しいSGLT-2阻害薬の活用法を自験例踏まえてご講演していただきました。
発表のメインは糖尿病患者さんにおける『糖毒性』といわれる、要は高血糖が更なる高血糖を呼ぶ悪循環が「糖毒性」といわれており、この状態をそのままにしていると、ますます糖尿病が悪化、そしてそれが気がつかない間に糖尿病を進行させ、最終的にさまざまな合併症があらわれるようになります。
こういった糖尿病の合併症を防ぐためにも、血糖値を低下させ糖毒性をとり除く必要があり、このSGLT−2阻害薬にこの糖毒性〈解除〉できる可能性があるといった内容でした。
特別講演の元京都府立医大教授で、現在京都の島原病院で肥満・糖尿病センター長につかれている吉田俊秀先生の、主として肥満症への我々(医師)のアプローツの仕方のご講演でした。
この吉田先生は1985年に日本で初めて「肥満外来」を開かれた先生で、肥満外来ではパイオニア的存在の先生で、その先生の数多くの経験を踏まえてのお話でした。
で、結果ですが、肥満には特効薬もなく、“病気を治すため”・“膝痛治したい”・“健康な子を産みたい”・“結婚するため”などどんな目標でもいいので、目標持たせ、《肥満の自覚と動機付け》が重要で、“体重減少に自分は「頑張ります」”と患者さんに云わせないと、肥満治療は上手くいかないということらしいです。
要は、やっぱ肥満治療は難しい、ということですね。( ´ ▽ ` )ノ
ただ、糖尿病患者さんで、体重3~5%の減少で糖尿病治療コントロールの指標であるヘモグロビンA1cの減少傾向が認められ、15%以上の減量で糖尿病正常化の期待もあるそうで、やはり難しいとはいえ糖尿病患者さんにとって体重コントロールは重要なことで、手替え品替えでも、上げたり下げたりでもしながら根気よく患者さんに付き合って治療指導しなければと思った次第です。
勉強ありがとうございました。