- 2015.12.22
- 💉〜・〜お知らせ〜・〜💉
昨日(12/22)は北九州第一法律事務所で、今年最後の弁護士会医療問題研究会(医問研)。
今回は、「慢性関節リウマチ患者さんの治療について」と「腸管穿孔」の2事案が検討されました。
慢性関節リウマチでは事案当時の治療ガイドラインがどうだったか、また当時の主たる医療はどうだったか、で事案となった原因が如何に患者さんへの生命予後に関わったかなどが検討で、腸管穿孔は穿孔がどの程度生命予後に絡むかというった検討会でした。
検討会後は、北区浅野にある和牛やフォアグラに鮮魚…鉄板焼き&網焼きダイニング「くわとろ」で忘年会兼ねた懇親会です。
参加された弁護士方々、この1年ありがとうございました。
お疲れ様でした。
昨日(12/17)は、リーガロイヤルホテル小倉で、『小倉内科医会実地医家学術講演会』が開催されました。
今回の講演は今の時期に適したインフルエンザ関連で、神奈川県川崎市で開業されてるインフルエンザ関連では第一人者で、また臨床内科医会でのインフルエンザ研究班にも属してる廣津伸夫先生から「インフルエンザウイルスの拡散抑制について−増殖の阻害と伝播の阻止—」というテーマでご講演いただきました。
講演は感染様式で「家族内感染」や「学校感染」と分けてのお話で、「家族内感染」はやはり母子間での感染が多いということで、特に乳幼児との感染が多く、学年が上がるに従って感染率は低下傾向にあるということでした。
ただ、父親に関しては、家族内感染は比較的低いということです。
これは父親の行動様式の違いもあるようで、また父親はあまり感染に関して意識も低いというのも関与してるのではということで、父親のインフルエンザ感染に関し、もっと意識付けが必要ということもあるようです。
「学校感染」に関しては、秋口から徐々に多くなり、その特徴としてクラス単位での感染率が多く、したがって集団での感染になりやすいので、結果その地域へのインフルエンザ感染の影響も大きいということです。
また、抗インフルエンザ薬には現在、内服としてのタミフル、吸入でのリレンザに、イナビル吸入粉末剤と、注射剤のラピアクタと大きくは4種あるのですが、効果効能は点滴注射剤のラピアクタが一歩出てるようなお話でした。
(以前、パーキンソン病治療薬であるアマンタジン=シンメトレルも使われており、意外と効能効果あることが証明されてますが、現在では耐性の問題もあり使用できませんが、安価で良い薬だとは思うのですが( ´ ▽ ` )ノ)
しかし、ラピアクタは15分以上かけての点滴静注で、実際通常クリニックでは少しでも早く自宅安静がいいと思うので、個人的にはクリニックでの使用の現実味がないのではと思ってる次第です。
内服、吸入剤でも個人的には十分効果あると思われますので、嘔吐が激しく服薬服用ができないなど特殊状況でなければ内服や吸入で十分だと思われますし、点滴静注様子ような特殊な患者さんでは病院レベルでの加療対象だと思います。
以上、今回の講演で感染様式での特徴もいってみれば至極当然のことではあるし、抗インフルエンザ薬に関しても多少バイアス(共催—塩野義製薬)がかかってる面もあるような感がしました。
今回の講演で、知識を新たにするということでは意義ある講演会でした。
ありがとうございました。
昨日(12/10)ステーションH小倉で、『平成27年度小倉医師会会員忘年会』が行われました。
来賓の方も多く出席され、盛大に開催されました。
例年のことですが、私は小倉医師会内科医会の属しているのですが、今回のこの会では各科の先生方など多数出席されるため、他科の先生方との非常に良い親睦の会となってます。
また、来賓では近隣主要医療機関の病院長先生も多数参加されており、各病診連携会でもお話は致しておりますが、こういった会では病院間を超えてのお話も出来、非常に良い懇親の場となりました。
医師会もこの会で今年の締めとして、来年への期待を持った起点としたいものですが、来年は診療報酬の改定もあり、またそれはそれで注視していかなくてはなりませんが、とりあえずは今年の締めとして良い会になったのではと思います。
参加された先生方、お疲れ様でした。
昨日(12/9)は北九州市立商工貿易会館で『平成27年度健康づくり講演会』が市医師会主催で行われました。
この講演会は「特定健診・特定保健指導実施登録医療機関」の更新要件に必須の講演会で、今回は独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)久留米総合病院田中眞紀先生より「福岡県の乳がん生存率を上げるために」というご講演を聴講致しました。
今回のこの講演会は今までと多少毛色が変わって、内科である実地医家の先生方には新鮮な講演会だったと思います。
乳がんは近年メディアにもよく取り上げられており、日本人は欧米に比して比較的発症年齢も若いということもあり、40歳からの健診推奨も世界的にも珍しいということです。
また、現在はマンモグラフィーがFirstで健診となっているようですが、やはりエコー検査と併用した方が当然検出率も高いということですが、技師の養成やコスト等の問題もあり難しいのが現状のようです。
40歳代からの健診推奨も、この年代の方はまだ比較的乳腺の発達してる方も多く、マンモグラフィーでの正診率も低く、今後の健診のあり方も求められてるようです。
いずれにせよ今回の講演会で本邦の乳がん健診の現状と、欧米諸国との関連など最近の知見に触れたことは意義があったと思います。
クリニッックでも乳がんで外科紹介など今までもあるため、対岸のことと考えずに、更に視野を拡げて診ていかなければと感じた次第です。
田中先生、ご講演ありがとうございました。
一昨日の土曜日(12/5)に品川プリンスホテルアネックスタワープリンスホールで『高血圧学術講演会I n TOKYO 〜降圧の質を考える〜』が開催されました。
最近のデータで、高血圧治療患者さんの40%強は十分な降圧管理下にないというデータも出ており、高血圧といわれ降圧薬を服用されてる患者さんの多い中、多くは十分な血圧コントロールが出来てないということです。
そこで今回の講演会では、高血圧治療で“質の良い治療”とは、ということをテーマに「家庭血圧の重要性」、「如何に服薬アドヒアランスを良好にするか」、「血圧変動の観点」と「パネルディスカッション」と4部に分けての講演会でした。
「家庭血圧の重要性」では、家庭での定期的な血圧計測により早朝高血圧(モーニングサージ)の推測が可能ということです。
多くの心血管イベントは未明〜早朝に多く、この早朝高血圧を確認することでイベント予防に寄与するこのと思われますし、血圧手帳もち毎朝血圧測定するということは患者さんの意識付けにもなると思われます。
「服薬アドヒアランス」は、服薬がしっかり遵守出来てる群と、出来ていない群とでは、入院のリスクや入院日数に有意な差があるようです。(これらは医療費への影響も大)
また降圧剤が2剤以上ある時は、患者さんがその時の状況で間引くことも知られてます。
こういったコンプライアンスも治療の“質”に関わると思われます。
また、「血圧変動」では、やはり変動が大きい患者さんほど、心血管イベントのリスク増大のみならす、認知症のリスクも上がるようです。
以上、こういったリスク回避に如何に服薬を遵守してもらうか。
また、数ある降圧薬をいかに使うかだということです。
最近ではARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)に、CCB(カルシウム拮抗薬)、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、利尿剤と主なものがあります。(他にα/β遮断薬)
特にARBは、ARBはACE拮抗剤の改良版で副作用が少なく、降圧効果の他に腎保護作用、血管保護作用、心筋保護作用があり、新しいARBではPPAR-γ活性化作用があり、糖・脂質代謝を改善するとともに抗炎症・抗動脈硬化作用があるため臓器保護的な面もあります。
したがって、適応が広くCCB(降圧作用強く、安価)と同様に降圧剤の第一選択になりやすい。
以上降圧薬単剤以外に、最近では配合剤も各種出てきており、中にはARB+CCBの配合剤もあり、非常に有効な治療薬としで用いられてます。
配合剤の処方では内服薬を1剤でも減らすことで、患者さんへの服薬アドヒアランスへも寄与すると思われ重要なことと思われます。
以上踏まえた上で、少しでも患者さんに服薬面でも費用面でも負担にならない、有用な治療を模索し医療提供したいと思います。