- 2016.08.01
- 〜・高齢者医療を考える会・〜
先日の7/30にヒルトン福岡シーホークで『高齢者医療を考える会〜患者さんのQOLを多角的に考える〜』が開催されました。
講演は2講演あり、講演1は「認知症の診療〜ご本人らしさを保つために〜」と認知症のお話で東海大学医学部内科学系神経内科准教授馬場康彦先生から、講演2は「糖尿病治療における服薬アドヒアランスの重要性」を慶応義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科特任講師田中正巳先生からご講演いただきました。
認知症は現在直近で300万人を越え、2020年には410万人、2025年には470万人になる予想があり、有病率でも65歳以上で約10人に1人、85歳以上で4人に1人が認知症にと誰もがかかる病気と考えて良い時代となってきてるにあたり、今までの認知症患者さんが受け身の医療であったのが、今後は認知症患者さんから発信する医療変化、要は認知症患者さん周辺の関係者主導ではなく、認知症患者さん中心の医療変化が求められるというご講演でした。
非常に難しいと思いますが、今後推計以上の割合で認知症患者さんが増加ということであれば、避けては通れない問題です。
また、糖尿病薬で週1回のWeekly製剤が発売され、今回の服薬アドヒアランスの問題ということでのご講演でしたが、やはり糖尿病患者さんの多くは高血圧や脂質異常はじめ種々併発疾患多く持たれている患者さんも多く、必然的に服用種類も増えて残薬も多くなってきてるという問題があり、今回の診療報酬改定にも影響してたところもありますが、そういった中で多少でも一日の服薬が少しでも少なくという狙いもあります。
が、多くの服薬の中で1種類だけ週1回となってもどうかということもあり、今後の患者さんの処方に関しタイムリーな処方というのは難しいと思われますが、こういった薬剤、また他に最近では配合剤等もあり、そういった薬剤含め上手く調整し患者さんの服薬遵守しやすい方向への努力は重要かと思います。
今回は認知症の今後の問題に、これも認知症が絡むと思われますが、服薬アドヒアランスの問題等々、今後の医療につき課題と思われました。
※服薬アドヒアランス⇒基本患者さんが自分の病気を理解し受け入れた上で、処方されるクスリの理解の上、きちっと服用するということで、以前は“服薬コンプライアンス”といわれ、服薬遵守を使われてましたが、これは一方通行的なものいいということで、最近では双方向での“アドヒアランス”が多く使われるようになってきてます。