- 2019.07.31
- 〜〜肺炎球菌ワクチンについて(含、私見)〜〜
先日ヒルトン福岡シーホークで、『肺炎球菌ワクチンフォーラム in 九州』が開催されました。
肺炎球菌は、肺炎原因菌第1位(肺炎原因菌の約30%前後)のみならず、菌血症・髄膜炎など重篤な疾患を引き 起こす病原菌で、小児・高齢者に加えて、基礎疾患を有する成人は 重症感染症のリスクがあり、これらを予防する目的で肺炎球菌ワクチンが開発さ れ、現在我が国では、肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV;ニューモバックス) と、肺炎球菌結合型ワクチン(PCV;プレベナー13) の2種が臨床使用されています。
※肺炎球菌は「血清型:けっせいがた」と呼ばれる多数のタイプに分類され、主に感染症の原因になる血清型は、以下の30種類ありそれに対して肺炎球菌の感染を予防するために使用できるワクチンは、23種類の型に対応するワクチンと、13種類の型に対応するワクチンの2種類があります。
我が国では2014年から始まった定期接種制度では、65歳以上の方に5年間かけて定期接種の機会を設けるものでした。
が、本来は今年の3月で終了という事でしたが、高齢者に対する肺炎球菌感染症の予防の重要性から、2019年度から2023年度まで、定期接種制度が継続運用されることになりました。
ニューモバックスは広く普及されましたが、2歳未満 の小児や免疫不全状態にある成人では十分な免疫反応を惹起するこ とができません。
そこでプレベナー13は、小児における有効な抗体産生を促すため、キャリア蛋白を結合さ せT細胞依存性の免疫を誘導する工夫がされています。
肺炎のリスクは高齢者や基礎疾患の持つ方は健常人に比し数倍から数十倍重症化のリスクがあります。
ただ、やはり23価のニューモバックスは一般に知れており(定期接種になったことも影響か)ますが、では13価のプレベナーはどう打てばと医療関係でもおざなりになってた感もあったのではないでしょうか。
しかし、高齢者では誤嚥性肺炎が多い昨今、誤嚥性肺炎は基本口腔内の嫌気性菌が肺炎の原因となりますが、当然最初は肺炎球菌肺炎で体力が低下して誤嚥がが起こり重感染としてのダブルパンチとなります。
ワクチンですので一般によくワクチン接種したら発症しないということに思われがちですが、決してかからないのではなく、重症化を防ぐということなので、肺炎球菌ワクチン接種することで事例によっては誤嚥性肺炎を防げることもあるかもしれません。
ましてや13価のプレベナーも接種しておくと免疫能の賦活化により更なる肺炎予防となるのではと思います。
ですので、これは私の私見ではありますが、すべからず65歳になったらまずは13価のプレベナーを摂取してその半年後に23価のニューモバックスの定期接種。
定期接種時期が年度を越えそうであれば、定期接種年度内に合わせて少し早目に13価プレベナーの接種が良いのではと思いますが。
で、また肺炎球菌肺炎はインフルエンザと同じく“飛沫感染”
データでは老健内の肺炎患者で共通の肺炎球菌が検出というものもあり、老健に入る条件として肺炎球菌ワクチンの義務付けも考え方としてありなのではとも考えます。
賛否はともかく、今一度23価のニューモバックスのみならず、13価のプレベナーも認知してもらいたいですし、肺炎球菌ワクチンを知らないとということです。
クリニックでは定期接種開始当初より、インフルエンザワクチンとの同時接種をすすめております。
これには開業医の先生の今ひとつに認識が鍵だとも思います。
科も問わないと思います。
実地医家として患者さんへの利益に考えてほしいものだと思います‼️