- 2016.07.15
- 〜・〜・がん患者のうつ病治療・〜・〜
昨日(7/14)はMeiji SeikaファルマWebカンファレンスで『がん患者のうつ病をどう治療するか?〜診断から薬物治療まで〜』と名古屋大学医学部附属病院精神科・化学療法部 病院助教/名古屋大学医学部附属病院 緩和ケアチームの足立康則先生のご講演でした。
がん患者さんにとって「うつ病」はQOLの低下だけでなく、治療への抵抗性に伴う治療効果の低下も診られるということです。
年間約3万人の自殺者がいるという中、最も自殺原因で多いのが“健康問題”ということです。
この健康問題で約半数占め、ほか経済・生活・家庭問題とあるそうです。
で、このがん患者さんでの「うつ病」ですが、まずはがん告知から事のすべてがはじまると思うのですが、この告知を受けたあとがん患者さんの心理変化として“否認”から“不安”と経過し、“鬱”となるという先生のお話でした。
私も以前消化器を中心に仕事しており、消化器は食道がんや胃がん、大腸がんに直腸がん、また肝臓がんに胆のう胆管がん、膵がん、etcと非常に“癌”の多い科で、多くのがん患者さんと接してきました。
その中で私ががん患者さんへ常々思っていたことが、「がん」という病名というか、“がん”という言葉が良くないと私自身思っており、基本一旦がん告知したあとの患者さんへの病状説明などでは極力“がん”という言葉を使わず、「この病気が」だとか「ここが」、「この部位が」と云うようにしてきました。
がん患者さんの告知後の心理変化としては、まずはがん告知の“否定”からはじまり、次いで何で自分が癌にならなくてはならないのかという“怒り”、そして何かを犠牲にすることで癌を治したいという“取引”、その後“鬱”への進行のあと、癌を受け入れる“受容”と一般に変化すると謂われてます。
その中で告知後1週間以内の自殺が多いのも事実で、その中の説明で「この癌が」、「癌がですね・・・」など、告知後に「がん-癌-ガン-がん」癌といわれれば、いわれる患者さんはどうでしょう。
そういった意味でも、告知には十分な慎重な配慮が求められます。
基本、がん患者さんはいくら受容ができていたとしても、治療効果で一喜一憂しますし、絶えずベースには「うつ状態」があるということを念頭に置いて接しなければと思います。
今回は“持論”踏まえての考察となり、私見と捉えていただければと思います。(*´∀`)