北九州市小倉北区でのC型肝炎、肝臓癌、肝炎、肝硬変などの治療は医療法人さがら内科クリニックへ。

ブログBlog

2016.05.18
HCV治療による“de novo肝炎”

C型肝炎治療ガイドライン第5版を公開
HBV,HIV共感染例などの治療対策を追加
ガイドライン・診断基準 | 2016.05.17

日本肝臓学会は「C型肝炎治療ガイドライン(GL)」を改訂し,昨日(5月16日)第5版を公開。

今回は新薬の発売による改訂ではないが,以前から検討されていたSpecial population〔①B型肝炎ウイルス(HBV)共感染例②HIV共感染例③腎機能障害・透析例④肝移植後再発例⑤肝発がん後症例〕についての治療対策が新たに追加された。

HBV再活性化に厳重な注意が必要

今年(2016年)4月に,ダクラタスビル(商品名ダクルインザ)とアスナプレビル(同スンベプラ)を販売するブリストル・マイヤーズ・スクイブから,両薬の併用によりC型肝炎治療中のHBVキャリアまたは既往感染者において,C型肝炎ウイルス(HCV)が低下する一方でHBVが再活性化し,肝機能障害に至った症例があり,死亡例も報告されているとの発表があった。現在,厚生労働省および医薬品医療機器総合機構(PMDA)がHBV再活性化のリスクについて添付文書の「使用上の注意」の改訂の要否も含め評価中であるという。

GL第5版でも「Special populationに対する治療方針」の項目で,この問題についての注意喚起を行っている。「HBV共感染例に対する抗HCV治療においてはHBVの再活性化に厳重な注意が必要である」とし,治療前,治療中にはHBVマーカーをモニタリングし,HBV-DNA量の上昇がみられた場合には核酸アナログ製剤を投与するよう記載されている。

また,「HBV既往感染例に対する抗HCV治療においてもHBVの再活性化には注意が必要である」とし,治療中のALT上昇時などにはHBV検査を行い,再活性化が判明した場合には核酸アナログ製剤を投与するよう記載されている。

慢性腎臓病(CKD)・透析患者に対しては,「積極的に抗ウイルス治療を行うべき」とされており,「CKDステージ別のインターフェロン(IFN)フリー直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療推奨度」がまとめられている(表)。

表. CKDステージ別のIFNフリーDAA製剤治療推奨*1

CKD
eGFR:推算糸球体濾過量,GT:ゲノタイプ,SOF:ソホスブビル,LDV:レジパスビル,OBV:オムビタスビル,PTV:パリタプレビル,r:リトナビル,DCV:ダクラタスビル,ASV:アスナプレビル,RBV:リバビリン

(日本肝臓学会編「C型肝炎治療ガイドライン第5版」2016年5月 p80-81)
http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c

2016.05.17
『CKDと脂質異常症』

昨日(5/16)はパークサイドビル小倉で「小倉・門司地区勉強会」が小倉記念病院副院長腎臓内科部長である金井英俊先生から『CKDと脂質異常症』のご講演がありました。

金井先生は5年前より北九州市の特定健診にも関わっておられ、特定健診で腎機能評価であるeGFR(推算糸球体濾過量:腎臓にどれくらい老廃物を排泄する能力の程度の指標)を導入され、早期腎障害での腎臓病の進展抑制にも公的に関わっておられます。

今回のご講演ではCKD(慢性腎臓病)が、高血圧や高脂血症など如何に関わっているか、また現在血液透析(以下、HD)の患者数が32万人以上(2014年時点)で、まだHD導入件数の減少化へは至ってなく、更にこのHD導入の増加傾向のほか、HD患者さんの高齢化、特に75歳以上から女性のHD患者さんが増加傾向にある、このことは以前『女性のミカタ』で女性の健康寿命延伸の時に“過活動膀胱”や“骨粗しょう症”などが健康寿命の延伸に関わるといったお話をしましたが、腎障害でのHD導入も当然女性の健康寿命延伸に関わる問題だと思います。

HD98年に糖尿病性腎症と慢性腎臓病と逆転して以降、糖尿病性腎症でのHD患者さんの増加の一途。

また慢性腎臓病は全体的にはHD患者数減少傾向ではあるようですが、 “腎硬化症”のみ増加傾向にあるということは、近年肥満や生活習慣病といったものが腎臓病の増悪進行に関わるといった面もあるということです。

こういったなか如何に生活習慣病の是正が、引いては将来的な透析患者さんの減少に繋がるのではと感じます。

間接的には女性の健康寿命延伸も視野に入れつつ、肥満・高血圧や脂質異常症に、糖尿病など、一番患者さんに近い立場にいる我々実地医家が患者さんの将来を見据えた医療提供が重要ではと思った次第です。

CKD-2 CKD-3 CKD-1

2016.05.16
📓〜・最新C型慢性肝炎治療・〜📓

以前より「C型慢性肝炎」に関し講演会や研究会等で最新の治療法など投稿してまいりましたが、この度一般の方にも分かり易い『C型慢性肝炎治療の見方』風なものを作成いたしましたので、ご参考にされてください。

なお、この内容はクリニックのHP診療案内の「保険診療」にあります“C型慢性肝炎の経口治療薬”(https://sagara-cl.com/contents/wp-content/uploads/2016/05/selection-1.pdf)からもご覧いただけます。

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2016.05.14
📓〜・インクレチン講演会・〜📓

インクレチン❢⇒食事を摂取したとき腸管(主に小腸)から血液中に分泌される消化管ホルモンの一種で、食後に高くなった血糖値をコントロールするために、膵臓β細胞からのインスリン分泌を増加させたり、膵臓α細胞からのグルカゴン分泌を抑制したりします。

これらの作用は、血糖値が上昇しているときに発揮され、血糖値が正常値にコントロールされているときには働かないため、血糖依存的な作用であると言われています。

しかし、分泌後DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)と呼ばれる分解酵素により速やかに分解されてしまい、生体内での活性を失います。

近年、インクレチンが血糖依存的に血糖値をコントロールする作用(血糖値を下げすぎない作用機序)に注目が集まっており、インクレチンを分解するDPP- 4を阻害する薬剤=DPP-4阻害剤などが開発され、既存のいずれの経口血糖降下薬の作用機序とも異なる新しいアプローチで2型糖尿病患者さんにおける高血糖改善目的で、現在では低血糖をきたすことの少ないこのDPP-4阻害薬が経口血糖降下薬の6割以上の頻度で用いられるようになってきました。

そういった中で今回『小倉内科医会実地医家講演会』と『糖尿病IT講演会』でこのインクレチンに対する心血管イベントへの関与や、動脈硬化といった生活習慣病への関与などの講演がありました。

結果では、インクレチンが早期から心血管イベント抑制に関わっているようで、動脈硬化にしても抑制液に働くという、各治験など通して明らかになってきてるようです。

で、こういったインクレチン製剤に、これまた最近出たSGLT-2阻害剤と組み合わせることにより、生活習慣病からの面からも更なる良好な血糖コントロールが期待できるのではと感じてます。

実際私もSGLT-2阻害剤で著名な肝機能改善し、体重も減り脂肪肝改善という良好な症例の経験もあります。

現在は糖尿病患者さんの問題点として、患者さんの高齢化や、逆に糖尿病発症患者さんの若年化、また肥満、服薬アドヒアランス等々の問題が出てきており、今まで糖尿病での治療目標は血糖コントロールやHb-A1cコントロールなどが主体となってましたが、生活習慣病絡めた体重減少や動脈硬化改善等でも重要な治療要因となってきてると思われますので、患者さん各々の背景等踏まえた治療も求められると感じた次第です。

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2016.04.30
📔〜・北九州肝腫瘍研究会・〜📔

一昨日(4/28)KMMビルに於いて『第94回北九州肝腫瘍研究会』が開催されました。

開催回数でおわかりと思いますが北九州の研究会の中でも、比較的古くから開催されてる会です。

北九州で肝臓をやられてる先生方の多くが参加される会で、特徴は症例提示に加え病理等での検討もなされている会で、非常に中身のある会です。

今回も2症例が提示され、奇しくもいずれも『サルコイドーシス』という全身疾患の関わりでした。

サルコイドーシスは全身性疾患で、基本的に慢性経過の病気で、人にうつらないし、遺伝病でもありません。

ただ病気がいろいろな現れ方で発見されるので、医者がその目で考えないと、見過ごされることも多い疾患でもあります。

厚生労働省が難病としても指定されています。

原因はまだはっきりしてなく、この病気にかかりやすい人という体質のようなものがあって、このような人に、普通に環境にみられるような細菌などが、特殊な免疫反応をしかけておこるのではないかと考えられています。

また、今回の症例提示のようにC型肝炎の人、あるいはこれの治療としてαインターフェロンを投与されている人から、サルコイドーシスが現れたという報告がいくつかあり、あらためてサルコイドーシスに関し留意要すと勉強になった次第です。

肝−2 肝−3 肝−4 肝−1

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