- 2015.12.01
- 💉インフルエンザ予防接種のお知らせ(再再掲)💉
昨日(11/29)日曜日は、福岡県医師会館で『地域包括加算・地域包括診療料に係るかかりつけ医研修会』が行われました。
この地域包括診療料・地域包括診療加算は、一昨年の診療報酬改訂時に新設されたもので、「主治医機能の評価」として設定され、この算定要件にはいくつか条件があるのですが、この施設基準の一つにこの研修受講要件もあります。(研修時間全20時間・・・今回はこのうち6時間30分に該当)
研修は、研修開始の挨拶から時間カウント、研修中会場は施錠と、ほぼほぼ缶詰状態で行われます。(昼食も研修会場内)
この地域包括診療料は、「高血圧症」、「糖尿病」、「脂質異常症」、「認知症」の4疾病のうち2つ以上有する患者さんの複数管理が要件となっているため、それらの疾患についての講義と、介護保険・服薬管理・在宅医療・健康相談・禁煙指導等々の講義が、朝10時から夕17時までの6時間と、結構タイトな研修会でした。
テキストも厚めのものであり、各講義のスライドが掲載されてます。
が、これは私見ですが、今回の研修講義はあくまで指針で、実際診療現場では患者さん各々の病態踏まえた医療を要すと思われます。
例えば、高血圧などでの減塩食指導(全てが一律に0.6g以下が良いか⁇)や、生活習慣病以外での健康寿命に関わる疾病(骨粗鬆症等)等など、患者さんの訴えや、その時々に応じた医療提供を要すと思われます。
研修会は県内各所から来られており、参加された先生方お疲れ様でした。
昨日(11/26)健和会大手町病院の地域医療病診連携会が、ホテルニュータガワで開催されました。
健和会大手町病院は、健和会には大手町病院含め4病院あり、他に4つの診療所、3つの訪問看護ステーション、3つのケアプランセンター等々の関連機関があり、救急の超急性期から、慢患管理、在宅・介護医療と幅広い医療展開をし、その基幹病院が大手町病院です。
最近は公的病院含め、市中病院の医療連携会も多く開催されてますが、その度に主催病院の現状やトピックス的なことの報告があり、今では比較的オープンな医療連携ができるようになってきたように思えます。
今回の健和会大手町病院でも、大手町病院は市内の救急医療では基幹的医療機関というのは周知の通りと思われますが、今年の4月より市内でも先駆的な「海外渡航・ワクチン外来」を開き、最近話題になってる輸入感染症などにも目を向け、市の医療寄与となる新たな医療展開のご紹介がありました。
診療科の紹介では外科の紹介があったのですが、一般外科的治療はもちろんのこと、鏡視下手術やIVR(インターベンション治療)、悪性腫瘍に対しての対応に、救急での外科対応等々のご紹介があり、外科単独ではなく内科はじめ他科との協力共同で幅広い医療展開をされてることがわかりました。
また、従来の救急医療施設の指導施設への取得や、若手医師の研修の充実と、院内外とも更なる充実をはかって、公的病院にはない民間病院の自由度の高い柔軟な医療内容の充実化だと思います。
また、4年後には新病院となる計画もあり、今後更に市中医療機関の核となることと思いますので、我々実地医家も大いに期待したいと思います。
今回の連携会も医療機関のみならず施設や訪看と多くの参加に、救急警察関係など参加と救急医療の大手町病院ならではの色も出てたのではと思います。
主催された西中徳治院長はじめ、職員の皆様、また参加された皆様、お疲れ様でした。
昨日(11/25)、小倉医師会内科医会の実地医家講演会が、リーガロイヤルH小倉で開催されました。
今回のご講演は、国家公務員共済組合連合会新小倉病院の副院長でもあり、肝臓病センター長の野村秀幸先生です。
野村先生は北九州のみならず、同系病院の虎ノ門病院の熊田先生とも厚労省の班会等にも参加される先生で、いつも最新の知見を我々にお教えいただいている先生です。
今回も先日発売となったC型慢性肝炎(CH-C)の新薬「ハーボニー配合錠」を中心とした、IFN(インターフェロン)フリーの使用成績に、また今回IFNフリーの薬剤を用いたことで新たに分かった患者さんへの影響等のお話を『C型肝炎に対する最新のIFNフリー治療』という演題でのご講演でした。
今回はハーボニー配合剤を中心でのお話でしたが、CH-Cは日本では大きくG(グループ)-IとIIがあり、今まではG−IIは比較的治療効果良好で、G−Iが非常に治療に難渋という歴史があったのですが、今回発売のこの「ハーボニー配合錠」はG−Iの治療効果がほぼ100%と夢のような新薬です。
G−IIもIFNフリーの薬剤も出ており、これらIFNフリーの薬剤用いたときの使用感で、今までウイルス性肝炎治療に携わってきた人間は、まず肝炎の進行抑制はもちろんですが、なんといっても発癌抑制・早期発見・治療が主たるものでしたが、今回のIFNフリーの薬剤は副作用も軽微(ほとんどない⁈)で、薬剤そのものの影響くらいといった程度です。
といいましても、G−IIで用いられるIFNフリーの薬剤レディパスビルとリバビリンという薬剤で、以前よりリバビリンが貧血を呈すことが知られており、G-IIでの治療で多少貧血の懸念がある程度で、このレディパスビル/リバビリンは両薬剤とも腎代謝のため、肝臓に影響を全く与えないということで、早期のHCVウイルス排除でGOT/GPTの更なる正常化や、アルブミンという栄養評価の指標の数うちの改善と、肝機能の正常化の新たな知見が紹介されました。
今回発売のG-1治療薬であるハーボニー配合錠もレディパスビルとソホスビルの配合錠で、ソホスビルは肝代謝も、やはりレディパスビルは腎代謝で、肝臓への影響は今までの治療に比し格段に少ないということもあり、同様の肝臓への好影響が認められるようで、ひいては治療中にもかかわらず倦怠感も軽減し、ましてや食欲が出てきて患者さんが元気になってくるといった、今までは肝炎の進行抑制や、癌化の阻止を目の敵のようにやってましたが、今後このIFNフリーでの治療が今後の治療主体となってくることを鑑みれば、患者さんの治療への抵抗も少ないと思われますし、早期の治療開始も可能となるため、肝炎患者さんのQOL(Quality of Life)向上主体とした治療変化となってくるのではと思われます。
もちろん、癌への進展の可能性もないわけではありませんが、腫瘍マーカーや繊維化マーカーなど指標で発癌の高リスク群もある程度想定ができるわけで、そういった患者さんは厳重管理要すという区分けも可能となってきてます。
CH-Cの患者さんにとって非常にいい時代の幕開けではないかと思われます。
野村先生、大変貴重なご講演ありがとうございました。