- 2015.11.16
- 📖〜・かかりつけ医認知症研修会・〜📖
先週末の土曜日(11/14)に小倉医師会館で『小倉医師会かかりつけ医認知症の会第8回研修会』が行われました。
今回の研修会は「コウノメッソド」を提唱する名古屋フォレストクリニック河野和彦院長のご講演で、非常に認知症ではご高名の先生で、福岡県内はもちろん、宮崎や、遠く千葉からも今回のご講演を聴きに来られ、盛況な研修会となりました。
で、提唱する「コウノメッソド」ですが、要は“副作用を出さない認知症治療”ということのようです。
認知症の諸症状には、認知症の方なら誰でも現れる症状(記憶障害・見当識障害・高次機能障害、等)である中核症状に、徘徊や妄想・せん妄、幻覚・幻聴、暴力・暴言、介護拒否など、残存する神経機能が外界への反応として示すと考えられる周辺症状があります。
こういった認知症の患者さんの治療で、現在4種類の抗認知症薬が出てるのですが、前述の如く認知症の症状には様々な症状があり、現在の抗認知症薬の定常量での有効性には個人差もあり、実際のところ抗認知症薬の影響で、興奮性が出たり、うつ傾向が出たりとあることも事実で、今までも多少の抗認知症薬の調整や、抗認知症薬の変更調整などは行ってはきましたが、根本—実は抗認知症薬の定常量による副作用で治療に難渋している場合もあるのでは、という今までそういった面で患者さんを診てなかったような今回のお話で、認知症の症状を“陽証”・“中間証”・“陰証”で病型別けして、興奮系か、抑制系かで抗認知症薬の定常量にとらわれずに、また各抗認知症薬をよく理解し治療するといったものでした。(何か、漢方的な考え方に似てるような感もありますが)
今回のご講演は私にとって非常に革新的な感じのご講演で、非常に恥ずかしい話ですが、私自身先生に対しての情報が疎かったと反省しております。
実際診療の場では保険診療とも問題もあることもあるようですが、実践して非常に有効度も高いのではと感じた次第で、実臨床でも医療提供が出来そうな方もおられますので、まずはそういった方から診療して、認知症の診療の幅が拡がればと思います。