昨日(10/19)ホテルニュータガワで『生活習慣病フォーラム』が開催されました。
今までにも何度か開催されていますが、このフォーラムは呼吸器系と糖尿病関連のコラボしたフォーラムです。
今回も呼吸器系では気管支喘息の吸入薬中心に、慢性気管支炎や、気管支喘息、肺気腫などの慢性呼吸器疾患と、COPD(=慢性閉塞性肺疾患)絡めたご講演を、おさき内科・呼吸器科クリニック尾崎真一院長がわかりやすいご講演をしていただきました。
中でも“病期の進行と重症度は一致しない”と申していたのが印象になりました。
また、COPDの状態が健康と日常生活にどのような影響を与えているかという示唆に「CAT(COPDアセスメントテスト)」というのがあり、これがCOPD患者さんの病状の客観的把握に適しているという紹介も症例通じてあり非常に勉強になりました。
特別講演では九州労災病院の田中誠一副院長より、最新の糖尿病治療に関してのご講演がありました。
先日5番目となる経口血糖降下剤の配合剤(DPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤)エクメット配合錠が発売されました。
経口血糖降下剤は従来よりある、 SU薬、グリニド薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬などのインスリンの分泌を促す薬、 α-GI薬の糖質の吸収を遅らせる薬、 ビグアナイド薬、チアゾリジン薬のインスリンの作用を強める薬、 SGLT-2阻害薬の過剰な糖を排泄させる薬とあり、この経口血糖降下剤に、近年では配合剤であるピオグリタゾン/メトホルミン配合錠、ピオグリタゾン/グリメピリド配合錠、ミチグリニド/ボグリボース配合錠、アログリプチン/ピオグリタゾン配合錠に加え、今回DPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤が発売され、糖尿病の内服薬だけでも以上の種類があり、これにまたインスリン製剤とあり、これらで糖尿病患者さんの個々の病態にあわせて経口血糖降下剤の単剤治療や、幾つかの薬剤組み合わせでの治療が可能となってきました。
ただ、非常に多くの経口血糖降下剤があるため、何がどの特徴があるか、どの配合剤が何との配合か、各々の薬剤の副作用はどんなのがあり、何と組み合わせたら良いか(相性)など、診療も多岐にわたり我々(私だけかも)頭を悩ますことも事実です。
配合剤に関しては、他にも高血圧治療薬の降圧剤や、消化器関係、抗血小板関係等々でも出ており、現在は配合剤が流行となってる感さえあります。(これには先発メーカーの思惑が大だと思いますが:私見)
ただ、配合剤の出現により、患者さんの服薬のコンプライアンスが上がるのも確かです。
もちろん細かな調整がしづらいや、副作用が出た時にどの成分のもので出たのか判別しづらいなどのデメリットもあります。
医療コストに関しては、高価か安価かはそれぞれの組み合わせや、他剤との兼ね合いもあり一概には判断は出来ませんが、単純に配合剤はその単剤同士での比較では殆んどが低価格となってます。
いずれにせよ今回のご講演もですが、我々が各々の薬剤の特徴理解し、それを患者さんの病態にあわせてよく吟味して使用することが求められると思います。
ご講演いただいた先生方、座長のいのくち内科クリニックの井口信夫先生に、今回参加された先生方お疲れ様でした。