- 2015.09.01
- 📖糖尿病と癌📖
昨日(8/31)は『糖尿病診療最大の敵に挑む〜糖尿病と癌〜』というテーマで福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科の准教授野見山崇先生のお話をお聞きしました。
現在、糖尿病患者は全国で約950万人以上といわれ、国民の6人に1人が糖尿病といわれており、予備軍含めると国民病といってもいい疾患です。
ただし、時効型インスリンやDPP-4阻害薬はじめインクレチン製剤などの治療薬が使われるようになり、近年の糖尿病患者さんの糖尿病コントロールが非常に良好になってきてるのも確かです。
が、糖尿病のコントロール良好な傾向とともに、近年の糖尿病患者さんは、肥満傾向になってきてるのも確かです。
当然、肥満傾向となれば動脈硬化の進展にもつながり、更には血管イベントのリスクも上がり、それが生命予後をも脅かすこととなります。
また、近年糖尿病患者さんの新合併症として認知症や発癌といった、これもまた生命予後に関わる病態がみられてきてることもわかってきました。
特に癌に関しては、2型糖尿病患者さんの死因三分の一は癌死で、特に肝臓がんが多く、次いで大腸がん、乳がん、膀胱がん等々となってます。
肝臓がんが多いのは、前述の糖尿病=肥満がNASH(ナッシュ=非アルコール性脂肪性肝炎)との関連もあるのではともいわれてますし、高血糖=肥満が高インスリン血症招き、これが慢性血管炎症や酸化ストレス等が相まって発ガンを招いているのではともいわれてるようです。
先日の講演での糖尿病患者さんの肥満の時もでしたが、優れた薬剤でヘモグロビン-A1cのコントロールは良好な傾向となってきてますが、体重に関してはやはり十分なコントロールをしてかなければ、“質の良い糖尿病コントロール”にはならないということを勉強させられました。
私のクリニックでも、体重で悩まれてる患者さんは多くおられますので、やはりどんな病態でも、肥満は“百害あって一利なし”だとも思われますし、私もクリニックの患者さんには体重に関してもう少し(心を鬼にして)厳格な指導が必要かと自省した次第です。