北九州市小倉北区でのC型肝炎、肝臓癌、肝炎、肝硬変などの治療は医療法人さがら内科クリニックへ。

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2015.09.04
📓小倉記念病院循環器内科セミナー📓

昨日(9/3)小倉記念病院の循環器内科セミナーでした。

テーマは心臓弁膜症の一つで大動脈弁狭窄症という弁膜症の治療で、今までは大動脈弁置換術という外科的治療がGold standardでしたが、今回のテーマの「TAVI:タビ」、

TAVI:タビ」とはTranscatheter Aortic Valve Implantation の略語で、「経カテーテル的大動脈弁植え込み術」との訳です。

TAVIは、胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に装着する治療法で、この治療は、心臓の弁が上手く機能せず、息切れなどの症状が出る「心臓弁膜症」の患者さんで、高齢などの理由で手術をあきらめていた方に対する新しい治療の選択肢となります。

高齢やリスクが高く外科手術の適応とならない患者さんが、全患者の少なくとも3割以上おり、大動脈弁狭窄症は症状が出現してから手術をしないと予後が非常に悪く、このような手術のできない患者さんは、今まではなすすべもなく看取らざるを得なかったのが現状でした。

このような患者さんに対し、フランスのルーアン大学の循環器内科のAlain Cribier教授により考案され、2002年に第一例が施行、当初は未熟な治療で周術期死亡率も大変高かったのですが、デバイスの改良、経験や知見の蓄積により、年々安全性が向上しているようです。

まだまだ長期成績(外科との手術成績比較など)や、コスト面などの問題もあるようですが、こういった治療を小倉記念病院も循環器内科で行えるようになったことは、我々実地医家も知ることで、心臓に病気を持つ患者さんにより良い医療提供ができるものと思います。

今回のセミナーでは新しい知見を得てありがとうございました。

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2015.09.03
📖『豊の国』講演会📖

昨日の9/2にリーガロイヤルホテル小倉で「第18回豊の国糖尿病と腎研究会」に参加です。

今回は滋賀大学糖尿病・腎臓・神経内科の久米真司先生から『糖尿病性腎症の新規治療標的の解明を目指して』という演題でのご講演でした。

近年はヘモグロビンA1cのコントロールも平均でかなり良好なコントロールが得られる時代となってきており、最近では血糖変動幅や、先日申し上げました“肥満は悪”ということで厳格な体重コントロールなども重要視され、質の高い血糖コントロールが求められてくるようになりました。

が、これはある医師会のデータですが、平素の診療で尿検査をどれだけされてるかというアンケートで、尿定性のみ=約50%、アルブミン尿のみ=約5%、で両方検査あり=30%、尿定性もアルブミン尿も検査していない=30%との結果でした。

この結果で如何に日常診療で患者さんに尿検査されてるのが少ないかという問題が浮き彫りになると思います。

ちなみに私のクリニックでは、外来の全患者さんには誕生月と誕生月の半年の年2回は必ず尿検査はしてますし、糖尿病の患者さんではもう少し厳格な検査をさせていただいてます。

まだまだ透析患者さんは右肩上がりですし、当然予備軍も多くおられると思います。

その中でも糖尿病が原因での透析導入は、慢性腎疾患からの透析導入患者さんの数を抜いて久しい状況です。

早期の腎症の診断行い、RAS阻害薬の使用やA1c7%以下のコントロール、収縮期血圧の129以下のコントロール等で微量アルブミン病期であれば寛解も可能です。

我々実地以下が医療の最前線として糖尿病の患者さんのみならず、一般の患者さんもですが早期の診断で早期発見することが、今後求められてるとも思います。

北九州では特定健診でもeGFR測定もありますので、今後も質の高い医療提供が出来るよう、自院だけでなく近隣の、また仲間内の先生方とも情報共有しながら医療提供していきたいと思います。

ご講演ありがとうございました。

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2015.09.02
👭「女性のミカタ」プロジェクト👩

女性は閉経を機にさまざまな病気にかかりやすくなります。

これらの病気は、自覚症状がなく気づきにくい、恥ずかしくて相談しづらいなどの理由により、知らないうちに進行し、健康的な日常生活を阻害してしまうことがあります。

2010年の統計によると、日本人女性の平均寿命は86.4で、世界最長を誇っています。

しかし、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義される健康寿命は73.6その差は約13です。

つまり、女性は、人生の実に「7分の1」にも及ぶ期間を、健康上の問題で日常生活が制限される状態で過ごしていることになります。

この平均寿命と健康寿命の差を1年でも短縮し、女性のみなさまにいつまでも健康で生き生きとした生活を送っていただきたい、それが「女性のミカタ」プロジェクトの目的です。

今回この「女性のミカタ」プロジェクトは、女性がかかりやすい病気を早期に見つけ出し、早めに治療することで、今と将来の女性の健康を守るプロジェクトです。

そういった中でのプロジェクトの一環としてクリニックでは9月の1ヶ月間にクリニックの50歳以上の患者さん、またその付き添い50歳以上の方へチェックシート記入していただき、健康寿命への気づきのお手伝い・指導を行うようにいたしました。

このプロジェクトへ対するお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ、ご来院のほどお願い申し上げます。

2015.09.02
🔥中国天津倉庫爆発事故の余波🔥

先般の8/12に中国天津での爆発事故で、昨年3月発売の新薬=第4の抗HBV薬抗ウイルス薬テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(商品名テノゼット300mg)⇨適応はB型慢性肝疾患のB型肝炎ウイルス増殖抑制。

この製剤がGSK(グラクソ・スミスクライン)天津工場が被災に遭い、現在B型慢性肝炎の治療での主体となってる本剤(テノゼット)の供給不足に見舞われてる状況との報告がありました。

本薬剤は従来から抗HBV加療としてインターフェロン療法、ステロイド離脱療法などが行われており、近年では抗ウイルス療法が積極的に行われている。

抗ウイルス療法で使用される薬剤(核酸アナログ製剤)としては、ラミブジン(商品名ゼフィックス)、アデホビルピボキシル(商品名ヘプセラ)、エンテカビル(商品名バラクルード)があり、これら薬剤の使用で有効性は飛躍的に向上したものの、一方で薬剤耐性のHBVの出現が大きな問題となっている。『B型肝炎治療ガイドライン』(日本肝臓学会)でも、ラミブジン及びアデホビルは耐性ウイルスが比較的出現しやすいことから、現在核酸アナログ製剤の第一選択薬としては、耐性ウイルスの発現率が低いエンテカビルのみを推奨しています。

B型肝炎ウイルス(HBV)の主たる感染経路は母子間感染であるが、その約9割は自然経過によりHBVが減少し、健康人キャリアとなる。しかし、残りの1割ほどは炎症が持続してB型慢性肝炎を発症し、慢性肝炎からは年率約2%で肝硬変へと進展し、肝硬変からは年率約3%で肝癌が発生することが知られており、B型慢性肝炎治療においては、HBVを排除し肝炎を鎮静化させることが目標で、近年、有用なワクチンが広く使用されるようになったことで、新規HBVキャリアの発生は減少しているが、それでも国内では、およそ135万人がHBVに感染していると推定されている。

今回このテノホビルは、エンテカビルなどと同じ核酸アナログ製剤で、非常に期待の高い薬剤で、エンテカビルと並ぶ、核酸アナログ製剤の第一選択薬になることが期待されている薬剤ですが、今回の中国天津の爆発事故で薬剤の供給が危ぶまれてます。

こういう時の一番の被害者は患者さんで、クリニックでも患者さんにはご迷惑かからないよう、メーカーとも情報共有しながら、今後の経過をみていきます。

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2015.09.01
📖糖尿病と癌📖

昨日(8/31)は『糖尿病診療最大の敵に挑む〜糖尿病と癌〜』というテーマで福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科の准教授野見山崇先生のお話をお聞きしました。

現在、糖尿病患者は全国で約950万人以上といわれ、国民の6人に1人が糖尿病といわれており、予備軍含めると国民病といってもいい疾患です。

ただし、時効型インスリンやDPP-4阻害薬はじめインクレチン製剤などの治療薬が使われるようになり、近年の糖尿病患者さんの糖尿病コントロールが非常に良好になってきてるのも確かです。

が、糖尿病のコントロール良好な傾向とともに、近年の糖尿病患者さんは、肥満傾向になってきてるのも確かです。

当然、肥満傾向となれば動脈硬化の進展にもつながり、更には血管イベントのリスクも上がり、それが生命予後をも脅かすこととなります。

また、近年糖尿病患者さんの新合併症として認知症や発癌といった、これもまた生命予後に関わる病態がみられてきてることもわかってきました。

特に癌に関しては、2型糖尿病患者さんの死因三分の一は癌死で、特に肝臓がんが多く、次いで大腸がん、乳がん、膀胱がん等々となってます。

肝臓がんが多いのは、前述の糖尿病=肥満がNASH(ナッシュ=非アルコール性脂肪性肝炎)との関連もあるのではともいわれてますし、高血糖=肥満が高インスリン血症招き、これが慢性血管炎症や酸化ストレス等が相まって発ガンを招いているのではともいわれてるようです。

先日の講演での糖尿病患者さんの肥満の時もでしたが、優れた薬剤でヘモグロビン-A1cのコントロールは良好な傾向となってきてますが、体重に関してはやはり十分なコントロールをしてかなければ、“質の良い糖尿病コントロール”にはならないということを勉強させられました。

私のクリニックでも、体重で悩まれてる患者さんは多くおられますので、やはりどんな病態でも、肥満は“百害あって一利なし”だとも思われますし、私もクリニックの患者さんには体重に関してもう少し(心を鬼にして)厳格な指導が必要かと自省した次第です。

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