- 2015.08.07
- 新しい喘息ガイドラインのポイント
昨日の8/6MSD社の北九州サテライトオフィスにおいて、今回改訂された『〜喘息予防・管理ガイドライン2015のポイント〜』ということでIT講演会がありました。
喘息予防・管理ガイドラインは喘息の予防、管理、治療などについて指針を示したもので 、ガイドラインは喘息の予防、管理、治療などについてどのように対処するのが望ましいかという指針(方向性)を示したものです。
喘息のガイドラインは世界各国で発表されていますが、国際指針として世界的な標準(国際指針)となっているのはGINA(Global Initiative for Asthma)ガイドラインです。わが国にも成人の喘息予防・管理ガイドライン(JGL)と小児の小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)があります。
ガイドラインは喘息死が増加していることを問題視し、世界各国で作成公表されました。
いずれのガイドライントも喘息は気道の炎症と定義し、治療では吸入ステロイド薬を第一選択薬と位置づけ、ピークフローメーターによる自己管理を推奨しています。なお、GINAでは成人の治療ステップ3~5では、吸入ステロイド薬に長期間作用性吸入β2刺激薬(=セレベント)の併用が、日常長期管理薬(毎日使用するコントローラー)の基本となっています。
これが今回「重症度に応じた治療(ステップ1~4)」から、「コントロールレベルによる治療法(治療ステップ1~5)へと改変されました。
喘息治療の目標は、症状や増悪がなく、薬剤の副作用がなく,呼吸機能を正常なレベルに維持することです。しかし、気道リモデリングの影響により、呼吸機能が正常値までは改善しない場合があるので、患者の自己最高値に基づいてのコントロールが重要です。
コントロールが良好であれば良好な状態を3ヶ月以上の維持を確認の上ステップ、もしくは不良ならステップアップと示されてます。
今回4段階の治療ステップに含まれる薬剤は、その作用機序のエビデンスそれぞれの守備範囲(治療スペクトラム)がイメージできる薬剤の特徴を考慮して選択されてます。
現在では喘息の患者さんのコントロールは吸入ステロイド登場以来非常に良好となってきており、前世代に比して格段のコントロールが得られているのも確かですが、やはり喫煙絡めてまだまだ十分なコントロールができてない患者さんもおられます。
今回の新たなガイドラインの改訂を吟味し、非専門医でも喘息患者さんの治療の質を上げることも重要だと思いますし、ガイドラインを確認することで専門医への適切な紹介タイミングが可能になると思われますし、これらが患者さんに対しての質の良い医療提供と思います。
今回の勉強機に更なる医療の質を高めて、良い医療提供ができればと思います。