- 2015.07.09
- 勉強会報告
昨日の7/8に認知症治療薬ガランタミン(商品名:レミニール®)の勉強会がありました。
アルツハイマー病患者の脳には黒い斑点状(老人斑)が点在します。
その要素がβアミロイドと呼ばれるものです。
βアミロイドは少量である場合には無害なのですが、たくさん集まると有害なものに変わってしまいます。
最初にアルツハイマー患者の脳からアルミが検出されたのは1976年で、カナダの病理学者が発見しました。
アミロイド班(老人斑)は、βアミロイドと呼ばれるタンパク質が、大脳皮質などの神経細胞の周囲に沈着して出来るという過程でが認知症です。
現在認知症には4つのアルツハイマー病治療薬が承認されてます。
ドネペジル(日本名:アリセプト®、ドネペジル®)、リバスチグミン(日本名:イクセロンパッチ®/リバスタッチパッチ®)、ガランタミン(日本名:レミニール®)は、軽度から中等度のアルツハイマー病の治療に使用されます(ドネペジル(日本名:アリセプト®、ドネペジル®)は、高度のアルツハイマー病にも使用可能)。メマンチン(日本名:メマリー®)は、中等度から高度のアルツハイマー病の治療に使用されます。
これらの医薬品は、ニューロン間の情報を伝達する化学物質である神経伝達物質を制御することにより機能します。
思考、記憶および発語能力を維持するのに役立ち、特定の行動・精神症状の改善にも役立つ可能性があります。
しかし、これらの医薬品は、アルツハイマー病の病態そのものの進行に変化を与えるものではなく、人によって有効な場合も、そうでない場合もあり、また、限られた期間のみしか効かない場合もあります。
アルツハイマー病のよくある行動・心理症状には、不眠、興奮、徘徊、不安、怒りおよびうつ等があります。
現在これらの症状に対し、なぜ起こるのかを研究し、それらに対処するための新しい治療法(薬物療法および非薬物療法)について検討されてます。
行動・心理症状の治療により、しばしばアルツハイマー病の人の気分は落ち着き、介護者にとっては介護がしやすくなりますこともあり、これらに前述の薬剤の適切な使用でかなりのコントロールも可能となると思います。
今現在認知症患者さんの行方不明や、介護者との無理心中など社会問題化されており、より認知症の病期にあった治療やサポートがこれから重要になると思われますし、それを今後は地域の実地医家の先生方が関わっていかなければならないと思います。
今回はガランタミンの勉強会でしたが、今後も現在ある4種の薬剤の特徴や患者さんの状態に合わせて、ここに合わせた治療が求められると思われますので、今後の研鑽も欠かせないと思います。
ご講義ありがとうございました。