- 2017.06.29
- 〜・〜脳卒中連携講演会〜・〜
昨日6月28日ホテルクラウンパレス小倉で『脳卒中連携講演会in北九州』が開催されました。
今回のご講演は小倉記念病院の脳神経外科主任部長波多野武人先生の「脳卒中治療の最近の進歩」ということでご講演いただきました。
ご講演内容は、脳卒中での脳梗塞における(超)急性期治療と予防治療に、脳出血等々の予定のようでしたが、時間の関係と波多野先生の今回のこの講演で一番実地医家の先生方に強調したかったという、脳梗塞の超急性期治療の現状で基本終始致しました。
現在脳梗塞の超急性期治療は2005年からt-PA(tissue-plasminogen activator:組織プラスミノゲン活性化因子)製剤が使用できるようになり、脳梗塞患者さんの予後に非常に寄与するようになってきてます。
このt-PA製剤も当初脳梗塞発症3hr以内となっていたのが、現在では4.5hrと適応範囲が拡大されてきてますが、まだまだ我が国では脳梗塞は“寝てれば治る”といった風潮(特に高齢者間では)があるようで、脳梗塞発症から病院搬送着まで約26時間前後と平均であるようで、まだまだ一般に周知できていない面もあるようです。
その間脳梗塞の治療の代表であるt-PA製剤の使用できる医療機関も市内でも増えつつあり、今では各医療機関の脳外科チームでは“脳梗塞スクランブル”といって多職種含めたチーム医療体制を整えつつあります。
そこに近年では器材の進歩などで血管内治療である“血栓除去術”も行われるようになり、このt-PA製剤+血栓除去術に内科的治療等々で患者さんの予後に寄与するようになってきてます。
ただ、ここまでの治療が365日24時間いつでも可能かというと、北九州市内t-PA製剤治療ができる12施設で6施設が可能ということらしいですが、6施設のうち5施設がこの血管内治療が出来るDRが常勤で1名ということで、はたして365日24時間可能かといえば、?がつくのではです。
今回は小倉記念病院の講演ですので、小倉記念病院には7名の血管内治療可能なDRいるようです。
以上の内容では、小倉記念病院を推奨してるようですが、市内でt-PA製剤治療が出来る施設が12施設もあるということは地域性としてもすごいことだと思いますし、その中で半分の施設が血管内治療含めた最新医療が市民に提供できる環境は素晴らしいことです。
そういった中、t-PA製剤にプラスして血栓除去術+内科治療という最新治療を、我々実地医家でも広めていく必要性もあると感じた次第です。
いろいろな講演会もありますが、中央のお偉い先生の講演もいいのですが、こういった地域での基幹病院の等の講演も、実際我々実地医家にとっては重要な情報共有として良いものだと思います。
今後も市内等での医療機関の先生方の講演の拝聴と、親交を深めていくことが、患者さんへのより良い情報提供だと思います。
今回ご講演の波多野先性、ありがとうございました。