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成人に特化した新しい肺炎球菌ワクチンPneumococcal vaccine

2025年8月、成人に特化した新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®筋注シリンジ(PCV21)」が承認され、2025年10月29日から全国で自費(任意)接種として利用できるようになりました。

このワクチンは、21種類の肺炎球菌の型に対応しており、これまでのワクチンではカバーできなかった型(たとえば「15A」「16F」「23A」など)も含まれています。 つまり、より多くの種類の肺炎球菌から体を守ることができ、またキャップバックスは「結合型ワクチン」と呼ばれ、免疫が長く続きやすいという特徴があります。(従来のワクチンよりも“記憶する力”を持つ免疫反応を起こしやすい仕組みです。)

これにより従来の肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP(23価)」の5年後の追加接種(ブースター接種)は推奨されず、従来の肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP(23価)」接種後1年を目処に「キャップバックス®筋注シリンジ(PCV21)」接種のみで、以降の肺炎球菌ワクチンの接種の必要性がなくなりました。

成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因となった血清型に対する各ワクチンのカバー率(2024年)n=295

ワクチンの種類と特徴

ニューモバックスNP(PPSV23)

●ワクチンの種類ポリサッカライドワクチン
●カバーする血清型主にB細胞を刺激
●特徴
定期接種対象者に使用されるワクチンです(*) 免疫の仕組みから、効果は接種後5年程度です。以前は5年毎の接種を推奨されていましたが、他のワクチンの開発が進んだことにより、現在はニューモバックス接種後1年以上の間隔をあけて他の肺炎球菌ワクチンを追加接種するよう推奨されています。

キャップバックス(PCV21)

●ワクチンの種類結合型ワクチン
●カバーする血清型21種類
●免疫の仕組みT細胞とB細胞を刺激し、免疫記憶を形成
●特徴
2025年8月に承認された最新のワクチンです。 肺炎球菌によって引き起こされる様々な感染症、特に重篤化しやすい侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の予防を目的として誕生しました。
このワクチンは、肺炎球菌の中でも特に病原性が高いとされる21種類の血清型に対応しており、その中にはこれまでのワクチンではカバーできなかった型も含まれます。
ニューモバックスとは異なり、免疫の仕組みにT細胞が関与するため、より強力な免疫応答(多くの抗体を産生することが可能)が生じ、免疫記憶の確立によって長期間の感染防御が可能となります。そのため、1回の接種でほぼ生涯免疫が持続すると考えられており、繰り返し接種する必要がありません。
価格は他のワクチンと比較すると最も高額になります。

プレベナー13(13価)

一度接種すれば効果が長く続くとされますが、カバーする血清型はニューモバックスNPより少ないです。

プレベナー20(PCV20)

●ワクチンの種類結合型ワクチン
●カバーする血清型20種類
●免疫の仕組みT細胞とB細胞を刺激し、免疫記憶を形成
●特徴
キャップバックスと同じ結合型ワクチンで、1回の接種で完了します。海外でのデータが豊富で実績が多く、価格もキャップバックスよりは安価です。

バクニュバンス(15価)

比較的新しいワクチンで、プレベナー13より多くの血清型をカバーします。
●ワクチンの種類結合型ワクチン
●カバーする血清型15種類
●免疫の仕組みT細胞とB細胞を刺激し、免疫記憶を形成
●特徴
バクニュバンス接種後、1~4年の間隔でニューモバックスを接種することで、ブースター効果(さらに免疫機能が高まること)があると確認されています。

ブースター接種(追加接種)

ニューモバックスNPを接種後、5年程度経過している場合、医師と相談の上、再接種(ブースター接種)

どの種類のワクチンを打てばよいの?

65歳以上の方に向けた肺炎球菌ワクチン接種の考え方です。
以下を参考に、定期接種の機会がある方は利用しつつ、任意接種についてもご検討ください。
任意接種であるバクニュバンス(PCV15)、プレベナー20(PCV20),キャップバックス(PCV21)は安全性や免疫応答を引き起こす能力には大きな違いが認められません。血清型カバー率についてだけ考えると、キャップバックス(PCV21)>プレベナー(PCV20)>バクニュバンス(PCV1)の順で優れていると考えられています。

ニューモバックス(PPSV23)未接種者

以下の①~③のうちのどれかを選択します
① ニューモバックス(PPSV23) *定期接種対象者
 →以降はPPSV23既接種者へ
② プレベナー20(PCV20)もしくはキャップバックス(PCV21) *任意接種
③ バクニュバンス(PCV15)→接種後1~4年以内に ニューモバックス(PPSV23) *任意接種

ニューモバックス(PPSV23)既接種者

ニューモバックス(PPSV23)接種から1年以上あけて、キャップバックス(PCV21)もしくはプレベナー20(PCV20) *任意接種

まとめ

肺炎はありふれた病気のように思われる方もいると思いますが、重症化すると死にも繋がる危険な病気です。
肺炎球菌による重症な肺炎で入院した場合、病気が治ったとしても、炎症で肺の組織が壊れてしまい常に酸素が必要になったり、自力で食事や歩行ができなくなってしまったり、などの可能性があり、生活へ大きな影響をもたらします。
過去に肺炎になったり、肺炎球菌感染症にかかったりしたことのある方についても、定期接種や任意接種の対象になります。肺炎球菌には様々な血清型が存在するため、過去の感染とは別の型にかかる可能性があるためです。

高齢者が接種可能なワクチンの接種間隔

肺炎球菌ワクチンは、医師が特に必要と認めた場合、新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、帯状疱疹ワクチンとの同時接種が可能です。 1)厚生労働省 ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ
https:/ /www.mhlw.go.jp/ stf /seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index_00003.html(2025/5/27アクセス)

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